全てが追いかけてくる! by Paul Klee - 1940年 - 32 x 42,4 cm 全てが追いかけてくる! by Paul Klee - 1940年 - 32 x 42,4 cm

全てが追いかけてくる!

膠、紙、ボール紙 • 32 x 42,4 cm
  • Paul Klee - December 18, 1879 - June 29, 1940 Paul Klee 1940年

本日の作品はベルンのパウル・クレー・センターのご厚意によるもので、現在開催中の「パウル・クレー。動いている像」展覧会にて《全てが追いかけてくる!》が飾られている場所です。私もこの作品を生で見たかったです。どうぞお楽しみください!

パウル・クレーはこの愉快な作品を、彼の亡くなる年である1940年に描きました。深刻な病気だったという事実にもかかわらず、彼はなお面白味のある場面を描いていたのです。彼はこの絵を感嘆符を付けて《全てが追いかけてくる!》と呼びました。感嘆符は、絵の中にも登場しています。それは、この奇妙な一団のリーダーを示していますーー皆がその姿を追いかけています。広げられた腕が、他の者たちにそれを追うように求めているようです。もしくは、その姿は錯乱したサインや記号から逃げているのでしょうか?

そして、全ての物体はその姿を追っています!7つの形が、短くて小さな脚でその後を追っています。皆、脚のついた頭で、素晴らしい様々なものの記憶を呼び起こします。左上は恐らくおしゃべりな鳥、その隣はラディッシュ、その下は幾何学的な魚、その手前は走る2本の木です。そして一番下は、クロコダイルでしょうか?それとも脚のある線?太い黒線で描く粗いスタイルは、たくさんの疑問を残し、可能性を示し私たちに想像させます。ここでは誰が逃げているのか?なぜ?

この絵は第二次世界大戦中に制作されました。全てのユーモアにもかかわらず、そこにはその時代の批評の要素があるでしょう。恐らく、前にいる人物はフューラーの象徴でしょうか?