こちらは、レンブラントによる素晴らしい、そして大変価値のある作品です。イエスによっておこなわれた奇跡の一つが描かれています。あなたは、この絵に関する自分自身の奇跡的なおこないにもっと誇りを持っていることでしょう。最近、この絵を見ましたか?それなら、返しなさい、この泥棒!あなたは無実だと仮定して、アリバイ作りをしてみましょう。では、1990年3月18日の朝、あなたはどこにいましたか?恐らく、ボストンでしょうか?ひょっとすると、イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館を、警察官の制服を着て「訪れて」いましたか?もしそうなら、本当に、あなたはこの作品を返すべきです。500万ドルの報酬が懸かっていることを知っていましたか?それに加えて、このような作品を隠しておくことは、人道に反する罪のようなものです。つまり、私はそんなこと絶対にするわけがないし、私は1990年よりも後に生まれたのでその作品を盗むチャンスなどないのです!しかし、もし私が本当に盗んでいたとしたら、それが飾られていた空っぽの額縁を美術館に残しておくのを満足げに見ていたことでしょう。最近ではこれも概念芸術のひとつではないですか?そのように考えれば、罪悪感も減るものです。フェアトレードです:アートにはアートを、古い作品と、新しく、新鮮で挑戦的な概念芸術を。トーマス・ドクィンシーが殺人を芸術の行為とみなすのであれば、泥棒だって芸術ではないですか?そして、消えたのは1枚の絵だけではなかったのです!それは1時間以上も続いた天才的な戦略で、5億ドル以上の価値のある13もの作品が盗まれたのです!歴史上もっとも大きな私有財産の窃盗で、未だ逮捕者はなく、1つの作品も取り戻されていないのです・・・もしもたまたま作品を持っていたら、ぜひそれを返してください、そうでなければ少なくとも私をお茶に招いてください。きっとあなたはお話しするには面白い人でしょう。
アルトゥル・デウス・ディオニシオ