ターナーは、海景画家としてのかなりの経験と水彩画家としての卓越した技法を利用してこの景色を描き、その景色の中でヴェネツィアの宮殿の礎は、水面に映る繊細な姿を通じて潟の水と溶け合っているかのように見えます。この絵は、最初にヴェネツィアを訪れた1819年に描いた、かなりあっさりとしたスケッチを基盤としていますが、この絵が本当に出来上がったのは1833年、二度目にヴェネツィアを訪れたときのことでした。ターナーは1835年、ロンドン・ロイヤル・アカデミーでこの絵画を展示し、幅広い絶賛を受けました。


ヴェネツィア、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂の前廊から望む
油彩、カンヴァス • 91.4 x 122.2 cm