今日は皆さんのために特別なものをご用意しました。ウィーンの美術史美術館は、2016年に125周年を迎えました。1891年に皇帝フランツ・ヨーゼフ一世が、この美術館を正式に開館したのです。今日は「Celebration!」展に展示される作品を一つ特集します。お楽しみあれ!
2人の人物を描いたこの肖像画は、モデルたちのコントラストを活かしています。小人の低い背丈が、巨人の堂々たる高さを強調しています。伝説によれば、この絵のモデルは、オーストラリア大公フェルディナンド2世の宮廷巨人バルトルマ・ボンと宮廷道化師トーメルレだそうです。普通からは外れたこの肖像画の制作が依頼されたことには、おそらく当時の人が様々な発見や自然に興味を示しており、それと同時に、当時は好奇心を愛する時代であったということが反映されているのでしょう。実際のところ、モデルとなった2人は、宮廷でのお祭り騒ぎや仮装行列で自らの役目を果たし、その珍しい見た目は催事の魅力を高めていたのです。この巨人が1560年開催のウイーンでのトーナメントに参加したときには、大騒ぎとなりました。アンブラス城の武器展示室には、このトーナメントの際に着用していたであろう巨人の鎧を身に纏った、高さ2.6mのマネキン人形の原物が収められています。