これは1858年に、数学者、教授、論理学者、写真家として活躍したチャールズ・ラトウィッジ・ドジソン(1832-1898)が撮影した「乞食メイド」と題された写真です。この少女は裕福な家庭に生まれた娘、アリス・リデルでした。チャールズは想像力が豊かで、彼がリデル家を訪れると、3人の娘にいろいろな物語を作ってほしいと頼まれたものでした。そこで彼は、3人をドレスアップし、写真を撮り、3人娘の真ん中の子アリスに特別な物語を作りました。彼の名前をラテン語に訳し、また英語に戻した結果、ルイス・キャロルという名前が生まれ、こうして彼はこの新しい名前で出版したのです。彼が生み出したこの乞食の少女は、初めて児童文学の主人公になった少女として有名になりました(本人もそうでした)。その本というのが、『不思議の国のアリス』(1864年)、『鏡の国のアリス』(1871年)なのです。




アリス・プレザンス・リデル
ガラスネガを用いた鶏卵紙シルバープリント • 6.3 x 10.9 cm