有名なフランスの彫刻家オーギュスト・ロダンを描いたこの肖像画は、1884年にジョン・シンガー・サージェントによって描かれました。絵の上部にかけて、「à mon ami Rodin John S. Sargent 1884 (わが友ロダンへ、ジョン・S・サージェント、1884年)」と刻まれています。ジョン・シンガー・サージェントはアメリカの画家で、主に同時代の人々からは熟練の肖像画家として知られていました。サージェントとロダンはおそらく1880年代前半にパリで出会い、芸術に関するやり取りはその後も続き、ロダンはサージェントの胸像を作り始め、サージェントはロダンの肖像に取りかかり始めました。ロダンが作ったサージェントの胸像については記録が残っていませんが (おそらく完成しなったものと思われますが、代わりにサージェントの小像が、ロダンからサージェントの元へと届けられました)、サージェントはこの力強いロダンの肖像画を描き上げ、彼の元へと届けました。サージェントが描いたロダンの肖像画は、鑑賞者の焦点を確実にロダンの頭と視線に合わせてきます。ロダンの胸元や背景は暗い色調で描かれているため、ロダンの鋭い視線や長い赤毛のヒゲから目を離せないようになっているのです。この肖像画を通して、サージェントはロダンの身体的な見た目と力強い人格を表すことに成功しています。何年か後、ロダンは新聞のインタビューで、サージェントは「le Van Dyck de l'époque (現代のヴァン・ダイク)」である、と述べています。
Lara
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