ブルーポイントのビーチパラソル by William Glackens - 1915年頃 - 66.1 X 81.3 cm ブルーポイントのビーチパラソル by William Glackens - 1915年頃 - 66.1 X 81.3 cm

ブルーポイントのビーチパラソル

油彩 キャンバス • 66.1 X 81.3 cm
  • William Glackens - March 13, 1870 - May 22, 1938 William Glackens 1915年頃

アメリカ芸術のアッシュカン派に属し、ロバート・ヘンライのそば近くで制作活動をしていたウィリアム・グラッケンズでしたが、中流階級の日常の細々したことを淡々と活気のない調子で描く彼らの作風は好きになれませんでした。最初、と言うわけではありませんが、彼はニューヨーク市街を陰鬱に描いて、本物の画家としての名声を高めました。しかし何度かパリや南仏を訪れた彼は、印象派の特徴と言われている明るい色使いで大胆に描く方法を身につけることに力を入れるようになりました。

この作品でグラッケンズは彼自身の進化を堂々と見せています。この絵の中心部にあるのはまさに、夏の陽気さを感じさせる暖かな彼独自の色使いです。オレンジ色とクリーム色のパラソルが、狭い砂浜にひしめき合う海水浴客の頭の上にあります。好奇心旺盛な人たちは波間に憩っています。パラソルの模様は後ろの塔のような建物の壁の色と呼応しています。柱と柱に施されている装飾が、空の青さやかすかな紫色を写しとっています。 


一人一人の輪郭は色で塗り分けてられていて、動きがあります。 グラッケンズはラフなタッチの筆遣いで描いています。女性達のサマードレスや塔の屋根、背後にある実の成る木などがそうです。それらは印象派の絵の特徴通りに、互いに溶け込むように描かれています。 

一方で、彼の描く人物の姿は嵐の前にいるみたいにお互いに重なり合い、隠れています。しかし結果として、別々の人と物が、スケッチのようなスピード感と、独特な色使いと動きのあるタッチの中で融合して、一つの場面としてまとまっています。

アンソニー・デ・フェオ

デイリー・アートの活動のために皆様のご支援が必要です。支援してくださる方はこちらまで、よろしくお願いします!