この人はベネディクト・カンバーバッチではありません。
これはカピスト芸術運動の一員であったポーランドの画家、ジグムント・ヴァリシェフスカです。私たちのFacebookページで大人気だったので、この自画像についてもう少しお話しすることに決めました :)
カピストまたはKP主義者 (パリ委員会のポーランド語の頭文字より) は、色彩主義者の名でも知られていますが、この注目すべき時代の芸術界の状勢を支配した、1930年代ポーランドの画家集団を指します。ポーランドにおけるロマン主義的な伝統とは反対に、カピストたちはあらゆる歴史的な伝統、象徴主義、文学や歴史による影響から、芸術が独立することを強調しました。彼らは、フランスのポスト印象派から強い影響を受けていたのです。
ヴァリシェフスカはルーヴル美術館で、ティツィアーノやヴェロネーゼ、ベラスケス、フェルメール、ゴヤ、ドラクロワといった古の巨匠たちの作品を模写し、滑稽なパロディも生み出しました。彼はセザンヌ、ファン・ゴッホ、マティスの作品にも惹かれていました。ヴァリシェフスカは、こういった画家たちの鮮やかな色遣いを用いましたが、その絵画作品は年を経るごとに大きく変化していったため、うまく言い表すことは容易ではありません。彼はしばしば、コンメディア・デッラルテからインスピレーションを得た素晴らしい光景や、ドン・キホーテのモチーフを様々に変化させた数え切れないほどの絵を描きました。ユーモア、滑稽なシチュエーション、嘲笑、そして皮肉で満ちた絵を描き、様々な時代の作風や図像的・文学的モチーフをすぐに描き換え、戯画化し、演劇的な物へと変えたのです。
ヴァリシェフスカは1936年、39歳で亡くなりました。
この絵画は、クラクフ国立美術館にて開催され、ポーランドの過去からの遺産を現代においていかに定義するかという問題に取り組む「#heritage」展にて、2017年6月23日から2018年1月まで展示されます。この展覧会では約600点もの作品が展示され、その中には著名な芸術家であるヤン・マテイコ、スタニスワフ・ヴィスピャンスキ、ヤチェク・マルチェフスキ、ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキ、アンジェイ・ヴルブレフスキの絵画コレクションや作品群が含まれています。
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