ひまわり by Eugène Grasset - 1896年 - 44.6 x 32.3 cm ひまわり by Eugène Grasset - 1896年 - 44.6 x 32.3 cm

ひまわり

版画 • 44.6 x 32.3 cm
  • Eugène Grasset - 25 May 1845 - 23 October 1917 Eugène Grasset 1896年

ヨーロピアナの素晴らしい新たなアール・ヌーヴォーシーズン (2月21日~5月29日) をお祝いするために、今月は再び提携を行うこととなりました。今シーズンは、大きな影響力を持っていたこの芸術運動の奥深さと多様性を探るとともに、アール・ヌーヴォーの美しい宝石やポスター、その他さまざまなものを特集しています。シーズンを先導するのは、アール・ヌーヴォーの物語をその起源から輝かしい全盛期に至るまで語る、20以上の美術館から50点もの作品を特集した新たな大展覧会です。

最初の提携記事では、ウジェーヌ・グラッセが生んだアール・ヌーヴォーのリトグラフの美と重要性を探り、ブダペストにあるスコラ・グラフィディス・アート・コレクションに敬意を表したいと思います。

アール・ヌーヴォー時代の多くのグラフィックアーティストは、植物の挿絵から着想を得て、生物らしい形を装飾デザインへと置き換えたのですが、そういったデザインはしばしば資料集に寄せ集められました。こうした本のうち特に優れたものの中には、スイス生まれの芸術家ウジェーヌ・グラッセ (1845-1917) と、その弟子モーリス・ピヤール・ベルヌーイ (1869-1942) によって生み出されたものもあります。

グラッセの1896年の著書『植物とその装飾への応用 (La Plante et ses applications ornementales)』には、ここにご紹介する図版《ひまわり》のような、多くの複雑で色彩豊かなクロモリトグラフが収録されています。各図版において植物が、アーツ・アンド・クラフツの作風とアール・ヌーヴォーを混ぜ合わせた装飾図案に対するインスピレーションの源となっています。『植物とその装飾への応用』では、アール・ヌーヴォーの巨匠であるブルジョ、ゴーダン、エルヴェの作品も特集されています。この本が出版されることで、オーウェン・ジョーンズが1856年に書いた著書『装飾の文法』などの影響力のあったデザイン本の伝統が引き継がれることとなりました。

こうした資料集はヨーロッパの美術大学や建築大学だけでなく、ヨーロッパ大陸を越えた工業系の絵画学校でも研究の対象となりました。その影響は、ウィーンやブダペスト (当時はオーストリア=ハンガリー帝国の一部) といったヨーロッパの大都市にまで及びました。それゆえに、ブダペストメトロポリタン工業美術学校 (1886年~1945年) の現在の後身にあたる、スコラ・グラフィディス・アート・コレクションには、19世紀の図案の本や装飾版画の素晴らしいコレクションが収められているのです。

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- Zuzanna