中世の絵画においてバレーダンサーはしばしば主題として登場します。ドガのバレリーナなんかは皆さんもご覧になったことがあるかと思います。一見華やかそうに見える彼女たちですが、暮らすことはそう簡単ではなかったようです。当時、踊り子のほとんどは労働階級出身で、貧困から抜け出す機会を得ようとした若い女の子たちでした。運が良ければ、ステージに上がることができ、14~15歳から稼ぎ始めることができたのです。ほとんどの踊り子は、お針子さんと同程度の額しか稼いでいませんでしたが、中にはステージに上がることで裕福な男性から注目を得て、やがてその男性がパトロンとなることでより豊かな人生を送る踊り子もいたようです。このパステル画でカリエ=べルーズは、2人の踊り子の静かな時間を描いています。ハードな練習スケジュールの合間に、羊の足首の骨を使って"Pigs in a Pen"と呼ばれるジャックス(アメリカの伝統的なおもちゃ)に似たゲームをして遊んでいる二人です。


2人のバレリーナ
パステル/紙を貼ったキャンバス • 48 × 72 インチ