叛逆天使の墜落 by Luca Giordano - 1660年または1665年 - 419 x 283 cm 叛逆天使の墜落 by Luca Giordano - 1660年または1665年 - 419 x 283 cm

叛逆天使の墜落

油彩 キャンバス • 419 x 283 cm
  • Luca Giordano - 18 October 1634 - 12 January 1705 Luca Giordano 1660年または1665年

墜落する叛逆天使は対抗宗教改革の大きな主題の一つでした。矛盾を抱える教会に、あらゆる異端に対する戦いという形で主張を宣伝させるためのストーリーです。同時に、戦う天使の姿は暗黒勢力の叛逆者を超える勝利の光をも象徴していました。そしてそれは、天国と地獄、そして神の祝福と地獄の硫黄のにおいを狭い空間で対比するための明暗法を画家が作り出す機会ともなりました。天使の姿をした騎士が大きな羽を広げ、振られた剣は勝利を示す緊張感のある円弧を描いています。

ジョルダーノはルーベンスの「最後の審判」と比べると比較的少ない人物でこの場面を描いています。濃い黄金色を背景にして、大天使がバレエのようなポーズで、息も絶え絶えとなっている堕天使ルシファーの上でバランスを取って立っています。ルシファーは自分の僕達にまとわりつかれ、 骨張ったコウモリのような羽は、もやもやと沸き立つ地獄の炎を切り裂いています。一見とてもダイナミックな場面ですが、実はこれ自体戦いを描いているわけではありません。ミカエルは地獄から這い出てくるものを剣でうってはいません。剣はただシンボルとして高く捧げ持たれ、サタンとその僕者を永遠の地獄に落とすのには大天使ミカエルの姿だけで十分であるかのようです。

この絵をジュリアに捧げます。彼女は美術史美術館の大ファンなのです。40歳のお誕生日おめでとう!

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