背を向けた若い女性のいる室内

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デンマークで最も名声を得た画家の一人が、ヴィルヘルム・ハマスホイ(1864-1961)です。コペンハーゲンに生まれた彼は、肖像画家、建築家、そしてインテリアデザイナーとして活躍していました。後に彼は、静寂な部屋を描く画家として広く知られるようになります。ハマスホイは、ストランゲーゼ30番地にあった彼のアパートを、アトリエとして、そして作品の主題として、室内空間を描いた作品を数多く残しています。

ハマスホイの絵は静謐な孤独を映し出します。グレーを基調とした淡い色彩によって、緊張感あふれるエレガントな作品に仕上げられています。作品の多くは、後ろを向いた黒い服の女性1人がいる室内空間を描いたものが多いです。若い女性としてしばしば登場する彼自身の妻、イーダ・イルステズを描いた《背を向けた若い女性のいる室内》もその代表例の一つです。この絵は冷静さと謎に満ちた雰囲気を漂わせていて、女性が何かを隠しているんじゃないか、あるいは、なぜ私たちに背を向けているのか、と疑問を抱かずにはいられません。女性の首筋に光が当たっていることから、この部屋には窓があると推察することができます。キャビネットの上にあるオブジェに施された緻密な描き込みには、彼のデザインへの優れた審美眼が読み取れます。部屋の静けさが私たちに自省する時間を与えます。彼の絵はフェルメールやホッパーを彷彿とさせるところがありますが、それでも彼のユニークで謎めいたスタイルを十分に残しています。

彼は51歳の時、喉頭癌で亡くなっており、その後しばらくは忘れ去られていたようです。しかし、100年の時を経て、2001年にはメトロポリタン美術館で、2008年にはロイヤルアカデミー美術館で展覧会が行われ、彼の作品は復活を遂げることとなります。古典的でありながらも現代的なアプローチの彼の作品は、新しい世代の美術愛好家たちによって今もな希求されているのです。

- ハイディ・ウェバー

ハンマソイの作品をもっと見たいですか? DailyArtDaily.comの "The Quiet Life Of Vilhelm Hammershøi Interiors"という記事を読んでみましょう。