人生の航路ー幼年期

トマス・コールは優れた4点から成る『人生の航路』を創作しました。どの作品も小舟に乗った旅人が人生の川を天使と共に下っていきます。『幼年期』はシリーズ最初の作品です。 小舟に乗った幼な子が静かな流れを楽しんでいます。空は新しいいち日の始まりに輝き、一帯は木々が茂るに任されています。小舟には砂時計など複雑な彫刻が施されています。この人生の旅は希望に満ちていて、この幼な子は行く手に待ち受けるものに興味津々です。

トマス・コールはハドソン・リバー派を創設した風景画家で、アメリカの最も優れた風景画家の一人です。彼はイギリスで生まれ、17歳の時に家族とともにアメリカに移住してきました。彼の明るい色遣いは、アメリカの豊かさを探究し「明白なる使命」を称賛する新世代の画家たちの影響を受けています。コールは愛国心と信仰の両方を作品の中で注意深く関連づけています。この『人生の航路』シリーズ全体のテーマはキリスト教徒の生と死、復活ですが、それら全ては拡大と可能性の最先端を行く新しい国の中にある。この航路はまさに素晴らしい冒険が約束された旅路なのです。

- ブラッド・アレン