雄牛 by Paulus Potter - 1647年 - 236 x 339 cm 雄牛 by Paulus Potter - 1647年 - 236 x 339 cm

雄牛

油彩/カンヴァス • 236 x 339 cm
  • Paulus Potter - 1625 - January 1654 Paulus Potter 1647年

ハーグにあるマウリッツハイス美術館の協力で、日曜日は同館のコレクションの傑作を紹介します。

牧草地の雄牛という日常の題材を、ポッテルが細部にこだわって大判のカンヴァスに描いたことが、この作品を特別なものにしています。雄牛の背中に群がるハエ、 前景にはカエルまで描き込む細かさ。やや下からの視線で雄牛をど真ん中に描く構図は、牛が地平線の上にそびえ立っているような効果を与えています。季節は夏。ヒバリが空高く舞い、太陽は輝いていますが、右手から近づく嵐の気配が明るい牧草地に暗い影を落としています。地平線にはレイスウェイクの教会。レイスウェイクは、この絵を描いた時にポッテルが住んでいた、ハーグ郊外にある町です。

ポッテル(1625~1654年)は、雄牛をリアルに描いたと考えられてきましたが、事実は異なるようです。畜牛の専門家によれば、角は2歳牛のもので、歯は4~5歳牛のもの。肩のあたりは成牛のそれですが、後ろ脚のあたりは若い牛のようです。姿勢も不自然です。肩と臀部はやや斜めに描かれていますが、胴体は真っすぐ。牛がこういう姿勢をとることはないそうです。

おそらくポッテルは、年齢の異なる複数の雄牛をスケッチし、その中から幾つかを選んで合成し、できるだけ雄牛らしく見せるようにしたのでしょう。小さ過ぎず、大き過ぎず、力強さを湛えつつも太って見えないように。この絵を描いた時、ポッテルはまだ21歳でした。彼が描いた牛や羊の絵はもっと小ぶりなものが多く、おそらくこの大判の作品は注文を受けて描いたものでしょう。ただ、注文主はわかっていません。「雄牛」を描いた7年後にポッテルはこの世を去ります。家族によれば、”絵の描き過ぎ”が原因とのことです。

今日の作品は、マウリッツハイス美術館のコレクションの中でも私のお気に入りの1点です。自撮りにもピッタリですね。