椅子 by Lockwood de Forest - 1881~1886年頃 - 82.2 x 46.4 x 47 cm 椅子 by Lockwood de Forest - 1881~1886年頃 - 82.2 x 46.4 x 47 cm

椅子

おそらくチーク材;リネンに絹糸の刺繍 • 82.2 x 46.4 x 47 cm
  • Lockwood de Forest - June 8, 1850 - April 3, 1932 Lockwood de Forest 1881~1886年頃

ロックウッド・デ・フォレスト・ジュニア (1850–1932)は、アメリカの画家兼デザイナーです。画家としては、フレデリック・エドウィン・チャーチと 共に学び、アメリカの東部や西部、そして外国の素晴らしい風景画を数多く遺しました。一方、デザイナーとしては、短命ながら耽美主義運動に重要な役割を果たしたデザイン会社アソシエイテッド・アーティスツをルイス・カムフォート・ティファニー、キャンデース・ウィーラー、サミュエル・コールマンらと設立しました。

デ・フォレストは1880年代の数年間を彼が愛したインドの地で過ごしましたが、その絵や、今日紹介する椅子のデザインからは東洋への強い関心が伺えます。 自らがデザインした装飾芸術作品を制作するために、インドのアフマダーバードでアフマダーバード木工会社を興しました。そこでは、インドの伝統的な木彫り技術を持ったミストリと呼ばれる職人が、東洋に着想を得たデ・フォレストのデザインに形を与えたのです。チーク材で作られたこの椅子は、おそらく同社の手によると考えられています。デ・フォレストのチーク材の木彫り作品は、アンドリュー・カーネギーのような著名人に人気を博し、現在では多くの美術館に所蔵されています。

現地の職人を雇い、現地の技術を活用することで、デ・フォレストは20世紀初頭に起こったインドの伝統芸術復興運動に一役買うことになりましたが、イギリス統治下でその技術は衰退の道を辿ります。デ・フォレストやティファニーのようなデザイナーは、創作を通して伝統的工芸技術の保存に貢献したのです。 

- Alexandra Kiely

P.S. ルイス・カムフォート・ティファニーは、美しいステンドグラスや装飾芸術品、インテリアで有名ですが、腕のいい画家でもあったことはあまり知られていません。詳しくはこちら