謝肉祭と四旬節の喧嘩 by Pieter Bruegel the Elder - 1559年 - 118 × 164.2 cm 謝肉祭と四旬節の喧嘩 by Pieter Bruegel the Elder - 1559年 - 118 × 164.2 cm

謝肉祭と四旬節の喧嘩

オーク板 • 118 × 164.2 cm
  • Pieter Bruegel the Elder - c. 1525 - September 9, 1569 Pieter Bruegel the Elder 1559年

これは、ブリューゲルのWimmelbilder (「ウォーリーをさがせ!」のように細部まで描き込まれた絵) のうちの一つです。巨大な作品の中に、上空から見た数えきれない人物たちがひしめき合っています。上からの視点で描かれることにより、小さな町の大広場で起きている出来事や人々の動きを全て同時に見ることができます。

ブリューゲルは、当時のフラマン人の謝肉祭と四旬節における慣習を、愛をこめて詳細に至るまで描いています。出来事は全て、酒場と教会の間で起きています。左側に主に描かれているのが酒場と、恰幅のいい酒飲みとして擬人化されたプリンス・カーニバル (謝肉祭のシンボル) です。右側には教会と、頭からつま先まで灰色のレディ・レント (四旬節のシンボル) が描かれています。

二人は武器を持っており、互いに争っています。もちろん、これは本気の一騎打ちではありません。プリンス・カーニバルは、様々な種類の肉が刺さった串焼きを振りかざし、レディ・レントは、ニシンが載ったパン用の木べらで相手を攻撃しています。

絵の左右両側に描かれた、全ての階級の人々も似たようなことをしています。偽善者の金持ちと同様に、四旬節や慈善の心を公に示すという慣習をないがしろにしている、貪欲な (偽の) 身体障害者たちがその例です。誰もが皆、自分の利益のため競い合っているのです。

本日の絵画をお届けするのにご協力いただいたウィーン美術史美術館では、世界初となるピーテル・ブリューゲル(父) の大規模なモノグラフをご覧になれます。ピーテル・ブリューゲル (父) の現存する全作品のうち、ほぼ半分を鑑賞することができます。芸術を愛する人々全てにとって必見です――でも、もしウィーンに行けないのであれば、今日と来週、再来週の日曜日、DailyArtでブリューゲルの作品をご覧ください :)