ジョン・ダールは、イギリスのテキスタイルとステンドグラスのデザイナーです。画家で職人のウィリアム・モリスのもとで学び、また、ラファエル前派の影響を大いに受けました。彼はこの海のモチーフの作品制作にあたり、モリスのパターンテクニックやおなじみのアカンサス模様を用い、躍動感を生み出しました。これはモリス商会で唯一、海の植物をモチーフにした壁紙です。あてもない緑の小枝や色のついた泡が、突き出した海藻の間に敷きつめられ、奥行きをつくり出しています。明るい部分を浮き彫りにすることで、紺色の地がその奥行き感をさらに高めています。
モリス・マーシャル・フォークナー商会(1861-1875年)は、家具と装飾美術品の製造・小売会社で、画家でデザイナーのウィリアム・モリスとラファエル前派の友人たちによって創業されました。この会社と後継のモリス商会(1875-1940年)は、中世風の美的センスを取り入れ、手工業や伝統的テキスタイルアートを大切にしていました。そして20世紀初期、教会や家の装飾美術へ深い影響を与えました。
今日の作品はハンティントン・ライブラリーのご協力でお届けしました。
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