デトバの旋律 by Martin Benka - 1932年頃 - 44 x 60 cm デトバの旋律 by Martin Benka - 1932年頃 - 44 x 60 cm

デトバの旋律

紙、インク • 44 x 60 cm
  • Martin Benka - 21 September 1888 - 28 June 1971 Martin Benka 1932年頃

本日の作品はスロバキア国立美術館 (ブラチスラバ市歴史博物館、スロバキア国立美術館、マルティン・ベンカ博物館) のご協力のもとお届けいたします。スロバキア国立美術館では、2019年12月まで、スロバキア近代美術における重要な画家マルティン・ベンカ (1888-1971) の生誕130周年を記念した展示が行われています。マルティン・ベンカは絵画を描くことによって、近代スロバキア芸術の出発点を生み出しました。学術文献では、ベンカこそ正に、スロバキア特有の色彩や形を追い求めた画家の中でも卓越した存在であるとされています。ベンカによって生み出された印象深いスロバキア神話のイメージは、スロバキアの山岳地方を元にしており、そこはベンカが1920年代から1930年代に至るまで、文明化によって破壊されることのない古き良き世界――自然と共に暮らす人の姿を見出した場所でもありました。

絵画の他にも、マルティン・ベンカはグラフィックデザインやイラストレーションにも従事し、建築家とコラボして建築物のビジュアルも担当しました。1930年代初めに作られた最初の建築デザインはガラスエッチングによるもので、スロバニアの建築家エミール・ベルシュにより近代の機能主義に基づいて建築された、ピエシュチャニにあるコロネード橋のためのものでした。ベンカはスロバキアの山岳地方をテーマとした絵を4パターン (《デトバの旋律》《チチュマニ》《リプトフの刺繍》《ヴァイノリの女流画家たち》) 描き、その内の2つはガラス板にエッチングされたものですが、現在においてもその複製品がピエシュチャニの橋を飾りたてています。ベンカは、今回の展示にも含まれているデザイン画において、絵そのものは簡素化する一方で基本的な輪郭線を強調しました。この絵は、丘の風景に調和する人々の姿を主に描いています。

- Monika Váleková

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