ゴーギャンはタヒチ滞在を引き延ばした末に帰国して北フランスでこの絵を描きました。この絵にはその頃の彼の経験が溶け込んでいます。少女は頭を垂れて祈りの手を合わせています。背後には扇状に広がったライラックが羽のように描かれ、赤茶色の糸杉や起伏のある緑の丘はここがブルターニュであることを示唆しています。しかし少女が着ているものはブルターニュ地方の女性が身につける白い帽子と暗い色の洋服ではなく、宣教師がサウス・シー島(フィジー)に持ち込んだドレスとよく似ていることがわかります。
この作品はクラーク・アート・インスティテュートの所蔵です。
追記:画家についての論争はこちら『ゴーギャンは巨匠か変人か』をご覧下さい。