速度の実験 by Cyril Power - 1932 速度の実験 by Cyril Power - 1932

速度の実験

リノカット •
  • Cyril Power - 17 December 1872 - 25 May 1951 Cyril Power 1932

この魅惑的な版画はシリル・パワー(Cyril Power, 1872-1951)というグロスベナー現代美術学院《Grosvenor School of Modern Art》の共同創立者によって作り出された作品である。パワーは元々現役の建築家だったが、1916年にイギリス王立陸軍航空隊からの依頼をはじめ、やがて前衛的な版画家としての道を進んだ。

異質な芸術家の集団であるグロスベナー現代美術学院は新しいメディアである「カラーリノカット」による版画制作に専念することによって団結され、20世紀初頭に誕生した多様な影響に彼らによる現代の大戦間(未来派主義者による「速」の魅力を受け入れることも含む)をめぐるビジョンを背負わせた。

パワーは同僚たちと同様、自分たちが生きている所謂新技術が次々と開発され、不可能だと思われた領域にまで拡張していく「機械化時代」に強く感心をもった。この時代の時点ではアインシュタインの相対性理論も既に一般社会に広がり、それまでに定着した「時・空間」をめぐる常識を変えたという。『速度の実験』は1931年にマルコム・キャンベルによるフロリダ州のデイトナビーチでの速度記録から影響を受けた。246mphで疾走したキャンベルのレーシングカー(ブルーバード)はパワーが作った抽象的で流れるような曲線や彼がいう「色と光におけるリズム」によって連想された。ダークブルー色の薄いグラデーションを見れば分かるようように、車のボンネットは他の部分より色濃く塗りつぶすされ、「エンジンこそが自動車の動力源であること」を微小に強調する。

グロスベナー現代美術学院が開催している第1大展覧会、 Cutting Edge: Modernist British Printmakingの一部として、この版画は2019年9月8日までロンドンのダリッジ・ピクチャー・ギャラリー《Dulwich Picture Gallery》でご覧いただけます。

P.S.20世紀初、「自動車」や「速さ」」は大勢の画家を魅了し、絵画の題材になることが多かったといわれる。こちらの「ベストの自動車を描写する絵画」もご覧ください!

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