サント=ヴィクトワール山と大きな松の木 by Paul Cézanne - 1887年 サント=ヴィクトワール山と大きな松の木 by Paul Cézanne - 1887年

サント=ヴィクトワール山と大きな松の木

油彩、キャンバス •
  • Paul Cézanne - January 19, 1839 - October 22, 1906 Paul Cézanne 1887年

サント=ヴィクトワール山はフランス南部に位置し、エクサンプロヴァンス付近にそびえ立つ山です。そして、セザンヌの数々の作品の主題ともなりました。 1877年10月5日にエクサンプロヴァンスとマルセイユをつなぐ路線が開通してからわずか半年後、1878年4月14日付のエミール・ゾラ宛の手紙で、セザンヌは、アルク川渓谷の陸橋を通るときに車窓から見えたサント=ヴィクトワール山を「beau motif (美しいモチーフ)」であると称賛し、そしてほぼ同じ年のうちに、この山を南国風に描いた作品群が描かれ始めたのです。
セザンヌは19世紀後半の印象主義と20世紀前半のキュビズムの架け橋となったと言われています。セザンヌの作品はしばしば、繰り返し用いられる探るような筆致が非常に特徴的で、それは鑑賞者の目にもはっきりと認識できるものです。平面的な色使いと短い筆致を用いて、セザンヌは複雑な画面を構築したのです。これらの絵画は、セザンヌが描く対象をつぶさに観察したということを伝えています。
マティスとピカソは、セザンヌのことを「近代絵画の父」と呼んだとされています。

P.S. セザンヌは様々な季節や天候のサント=ヴィクトワール山を何度も描きました。一連の作品のうち一枚は、第二次世界大戦中に略奪され、その後数年経って再び姿を現しました。この事件についての魅力的な話はこちら