今日からサンディエゴ美術館の特集月間がスタート。今月の日曜日は同館所蔵の傑作を紹介します。お楽しみに!
1590年代以前のヨーロッパ絵画には、静物画というものは事実上存在しませんでした。サンチェス・コタンは、その分野の先駆者であるだけでなく、間違いなく最も傑出した画家でした。この作品は、コタンの傑作として高く評価されています。静物がくっきりと描かれたこの絵には、断固とした自然主義的描写と簡潔さが見られます。 漆黒の背景に野菜と果物が完璧な曲線を描いて並ぶ構図には、不思議な静謐さがあり、絵の意味するところについての議論を巻き起こしました。これは、物をありのままに描く訓練のために、地下貯蔵庫の野菜を描いた習作だと言う人もいます。またある人は、この絵には宗教的含意がある、ささやかな神の創造物に対する祝福の意味が込められていると考えています。後者の説を裏付ける事実としてしばしば指摘されるのは、サンチェス・コタンは、この絵を仕上げた後 間もなくして、すべての財産を放棄してカルトゥジオ修道会に入信したということです。
サンディエゴ美術館では、「フアン・サンチェス・コタンとコーリーン・スミス:神秘の時間と惑わす光」展(会期:2020年3月14日~6月21日)を開催中です。この展覧会には、コンテンポラリー・アーティストのコーリーン・スミスのビデオ・インスタレーション作品が展示されます。コタンの絵に触発されたスミスが、400年以上前に巨匠が提起した課題に向き合って制作した作品です。(訳注:同館は3月15日現在休館中)
素敵な日曜日を!
P.S. 食べるの大好き!様々な食べ物を描いた静物画は、私たちのお気に入りです。おいしそうなチーズ! 絶品キノコ(ちょっとヘン!)、そして大好物のイチゴ!どうぞ召し上がれ。