今週も引き続きフリック・コレクションからご紹介します。これは18世紀の時計ですが、その美しさだけでなく、テラコッタを画材として使ったのではなくそれ自体でつくられた彫刻作品であることでも特徴です。
ジーン・アンドレ・レポートはルイ16世に仕えた時計職人。この作品は当時最も独創的で技術的にも卓越していた彫刻家クロード・ミシェルと共同で制作しました。クロード・ミシェルはローマで修行し、伝統芸術を身に付けました。3人の妖精がドレープを身にまとって円柱の周りを舞っています。この妖精たちはおそらくギリシャ神話の時の女神「ホーラ」でしょう。女神たちがレポートの制作した複雑な振り子時計を支えながらガラスの地球儀の内側に透けて見える一年時計を回しています。レポートとクロード・ミシェルはこの素晴らしい時計を建築家アレクサンドル=テオドール・ブロンニャールの依頼で制作しました。
なんて美しいのでしょう!今週の日曜日は時間に縛られずに過ごしましょう!
P.S. この手の時計に魅力を感じるなら、こちらもきっとお気に召すでしょう。フランスのロココ画家フランソワ・ブーシェの作品です。