静物は、ポール・セザンヌにとって中心的な主題でした。果物や水差し、瓶や皿など日常的な品々を用いて、形状や色、模様の関係について実験を重ねました。その組合せは思いつきのように見えますが、それぞれの物の配置には最新の注意を払い、時には何時間もかけて配置を決めたことが知られています。
セザンヌはこう書いています。「自然を描くというのは、対象をそのまま写すことではない。感覚を形にすることだ。」この明るい色の水彩画は、画家のこの考えに基づいており、色、光、場所、そしてそれらがどう見えるかといったことに対する画家の飽くなき関心を表しています。
P.S. セザンヌは静物画で有名ですが、肖像画も多数制作しています。フランスの巨匠の手になる後期印象派の肖像画をこちらでご覧ください。