リダー・アッバースィーは、その独創的な書のスタイルと特徴のある色遣いで、ペルシア絵画に革命をもたらしました。『恋人たち』は、サファヴィー朝の宮廷での長年にわたる栄光に満ちた画業の有終を飾る作品。体を絡み合わせたカップルの姿は、サフィー1世(在位1629~1642年)の治世に広まった、性に対する寛容な態度の現れです。きつく抱き合って一体となった二人は、一つの輪郭の枠内に収まっています。
ペルシア初期の絵画職人と異なり、アッバースィーは自身の作品にサインを入れるのを常とし、日付やその他の些事を書き入れることもありました。ただ、そのサイン入りの作品が、研究者によって贋作と断定されることも珍しくありませんでした。彼が得意としたのは、個人の収集家のための「ムラッカス」と呼ばれる冊子向けの細密画。さっと描いた庭を背景にして、1人ないしは2人の人物を描くのが典型的なスタイルですが、絵の外縁を飾るのに古来から使われてきた、無地の背景に金色で描いた植物を点在させるという手法を採り入れることもありました。アッバースィーや注文主のお気に入りの主題は、おしゃれに着飾った、若い美男の理想化された姿でした。
素敵な月曜日をお過ごしください!
P.S. アッバースィーの細密画には、幸せな暮らしを送るためのヒントがあります。こちらをご覧ください。