アンドレア・オドーニ by Lorenzo Lotto - 1525年 - 104.3 x 116.8 cm アンドレア・オドーニ by Lorenzo Lotto - 1525年 - 104.3 x 116.8 cm

アンドレア・オドーニ

油彩/カンヴァス • 104.3 x 116.8 cm
  • Lorenzo Lotto - c. 1480 - 1556/57 Lorenzo Lotto 1525年

この作品は、ルネサンス期における最も革新的で生き生きとした肖像画の一つ。ヴェネツィアの収集家アンドレア・オドーニ(1488年-1545年)が、右手に自然のシンボル、エフェソスのアルテミスの小像を持ち、左手で胸の十字架を握り、キリスト教が、自然や古代の異教の神に勝ることを示唆しています。ロットはベルガモで13年間を過ごした後にヴェネツィアに戻ったばかりで、パトロンになってくれそうな人に好印象を与えようと躍起になっていました。今日の作品は、ロットの肖像画の中でも特に野心的で優れた1点とされ、このジャンルにおけるティツィアーノのポジションを脅かすべく、綿密に構想された意欲作でした。

オドーニはミラノからの移住者の息子で、ヴェネツィアで成功した商人でした。ヴェネツィアの肖像画のモデルとなるような貴族階級の出ではなく、裕福ではありながらも普通のチッタディーニ(市民)でした。叔父から美術作品や骨董品のコレクションを受け継ぎ、更にそれを大きく増やしていったオドーニ。作家で批評家のピエトロ・アレティーノから少々けばけばしいと評された彼の邸宅は、画家で建築家のジョルジョ・ヴァザーリからは「才能ある人々にとっての心地よい憩いの場」と称賛されました。ここに描かれている彫像の多くは、有名な作品の、おそらく石こう像の複製品。ヘラクレスにまつわる彫像が3点見えます。ヘラクレス、そしてライオンの毛皮をまとったアンタイオスの立像。後者は、自身をヘラクレスの化身だと主張した皇帝コモドゥスを象徴するものでした。そして右奥にあるのは、プエル・ミンゲンス(訳注:小便をしたり、そのふりをする姿で表現された芸術作品)のヘラクレス。 ヴィーナスの彫像は2点。前景のトルソ(胴体のみの彫像。おそらくヴィーナス・ヴィクトリクス)と湯浴みするヴィーナス。前景にはハドリアヌスの胸像の鋳型も見られます。

P.S. ヴェネツィアン・ルネサンスの最も重要な画家とその作品をご覧ください。

P.P.S. オドーニは確かな目を持った芸術鑑定家であり、その考えを書き留めていました。オドーニに倣いたい方は、デイリーアートのオンライン・ストアでアート・ジャーナルをチェックしてみてください。