女性の肖像 by Vittore Carpaccio - 16世紀 - 28.5 x 24 cm 女性の肖像 by Vittore Carpaccio - 16世紀 - 28.5 x 24 cm

女性の肖像

油彩/カンヴァス • 28.5 x 24 cm
  • Vittore Carpaccio - c. 1465 - 1525/1526 Vittore Carpaccio 16世紀

ヴィットーレ・カルパッチョは、ジェンティーレ・ベリーニに師事したイタリア、ベネツィア派の画家。彼の画風は幾分保守的で、当時イタリア・ルネサンス絵画の姿を変容させた人文主義の影響はあまり見られません。カルパッチョが影響を受けたのは、アントネロ・ダ・メッシーナや初期ネーデルランド芸術。それ故、多くの代表作がベネツィアに留まっていたことも相まって、ジョヴァンニ・ベッリーニやジョルジョーネ、ティツィアーノといったベネツィアの同時代の画家と比べて忘れられた存在でした。残念なことです!

カルパッチョに帰属するこの作品は、ベネツィアのコッレール美術館所蔵の『二人のベネツィアの女性』との関連が指摘されています。いまだ重大な疑問が残り、異議を唱える研究者がありながらも、本作はカルパッチョによるものというのが通説になっています。高級娼婦とされる女性は三連の銀のネックレスと、純潔を象徴する真珠のネックレスを身に着けていますが、ベネツィアの奢侈禁止令の観点から見れば富と高潔の証でもあるので、彼女は婚約中か新婚の女性だという見方もあります。

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P.S. ティツィアーノのような巨匠の影に隠れた画家はカルパッチョだけではありません。ベネツィア派の女性画家をご存知ですか?