読書をする裸婦 by Robert Delaunay - 1915年 - 86.2 x 72.4 cm 読書をする裸婦 by Robert Delaunay - 1915年 - 86.2 x 72.4 cm

読書をする裸婦

油彩/カンヴァス • 86.2 x 72.4 cm
  • Robert Delaunay - 12 April 1885 - 25 October 1941 Robert Delaunay 1915年

ロベール・ドローネーはフランスの画家。妻のソニア・ドローネーらと共にオルフィスムという芸術運動を始め、読書をする裸婦を主題とした作品を9点制作しています。ドローネーが裸婦像を描くことはまれでしたが、20世紀初頭の抽象画家の中では珍しく、具象画にも取り組み続けました。『読書をする裸婦』は具象画ですが、人物の描写には抽象画と同じ色彩表現が使われています。

オルフィスムあるいはオルフィック・キュビズムという呼び名を1912年に初めて使ったのは、フランスの詩人ギョーム・アポリネール。それは、フォーヴィズムから刺激を得つつ、ポール・シニャックやチャールズ・ヘンリー、染料化学者のウジェーヌ・シェヴルールらの理論的著作にも影響を受けてキュビズムから派生した絵画運動で、純粋な抽象表現と明るい色遣いを特徴としていました。本作品には、キュビズムから抽象絵画への移行に重要な役割を果たしたとされるオルフィスムの特徴が表れています。繰り返される楕円のイメージは、女性の身体を形作る柔らかでやや傾いた曲線を際立たせ、ヒップと左脚のラインにも楕円の曲線の反復が見られます。テーブルクロスの紋様にも、ボディラインの曲線が縮小されて表現されています。色遣いは、ドローネーの色彩理論の土台であった補色対比の原則に基づき、バランスを保ちながらもダイナミックに選択されています。

P.S. ロベール・ドローネーが、彼の代表作の中でエッフェル塔をどのように描いたかをご覧ください。画家が独自に解釈したパリのシンボルがわかるでしょうか?

P.P.S. オルフィスムのもう一人の先駆者、フランティセック・クプカ。デイリーアートのオンライン・ストアでは、クプカの高精細の複製画を販売中です!