今日で8月も終わり。来るべき秋の季節に思い起こせるような、夏らしくて陽気な作品を紹介しましょう。
キュビズムの誕生に欠かせない役割を果たしたポール・セザンヌは、芸術史における伝統的な主題「水浴」に7年間にわたって取り組みました。ルーベンスやティツイアーノが描いた水浴作品との関連性は明白ですが、セザンヌの死によって未完となった『水浴図』は、過去の巨匠の水浴図を参考にした習作ではなく、伸びやかなタッチで描かれた独自の作風の意欲作です。構図の複雑さに対して、少しずつ重ねていくような筆致と、絵具の間に見える白い下地の効果によって、水彩画のような軽快さが表れています。『大水浴図』として知られる最も有名なバージョンは、フィラデルフィア美術館の所蔵。今日の作品はシカゴ美術館所蔵の1点です。
P.S. セザンヌの『水浴図』についてもっと知りたい方はこちら。
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