アメデオ・モディリアーニの『マルゲリータ』は、それまでにない独特の造形の肖像画の実例です。1916年に描かれたこの絵は、画家のキャリアのうちで、とても重要でかなりの多作期に制作されたもの。ぜいたくに厚く塗られた暗い背景に現れる若い女性は、こちらを見つめてわずかに首を傾げ、その頬はまぶしいピンクで紅潮しています。顔の特徴は様式化して描かれ、濃いまつげのある大きなアーモンド型の目は、卵型の顔をほとんど占めるような強烈な印象で、謎めいた表情をつくりだしています。
このモデルは、モディリアーニの姉マルゲリータだと示唆されてきました。もしそうならば、モディリアーニはおそらく記憶から彼女を描いたのでしょう。彼が祖国イタリアを訪れた最後の記録は1912年か1913年のどちらかであるためです。多くの話によれば、気まぐれで論争好きだったマルゲリータは、生涯未婚で、モディリアーニとその妻ジャンヌ・エビュテルヌの悲劇的な死後に、彼らの娘(彼女もジャンヌという名)の養母になりました。モディリアーニと姉は特別親しい仲ではなかったので、彼が彼女を描いたのはやや信じがたいことです。ジャンヌの言葉によれば、「マルゲリータ・モディリアーニは、弟への共感はほぼ無かったことや、アメデオが徐々に彼女と絵について話し合うことはなくなっていったことを認めていました」もしくはこの絵のモデルは、モディリアーニが出会ったモンパルナスの街で働く人である可能性もあります。
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P.S. 素晴らしい肖像画を通して、モディリアーニのライフ・ストーリーを詳しく知りましょう。