今日は変わった趣向の作品を紹介します。ここに描かれているのは、目隠しをしたキューピッドが女性の犠牲者に矢を放つ画面。平らな板にジェッソ(訳注:下地材)を積み重ねてレリーフを作り、油彩と金泥で装飾するという珍しい技法で制作された、絵画と彫刻の見事なコンビネーションです。異なる表現手段の組み合わせは、アーツ・アンド・クラフツ運動が醸成した美術と装飾芸術の密接な関係を反映したもの。モリス商会のデザイナーとして活躍したバーン=ジョーンズは、タイルとタペストリーでも同じ主題を扱った作品を制作しています。


キューピッドの狩猟場
マホガニー・パネルにジェッソ・レリーフ, 油彩・金泥 • 99.7 x 76.5 cm