ホアキン・ソローリャ・イ・バスティダは海辺の情景描写を得意としたスペイン、バレンシアの画家。ソローリャが海辺を描いた作品はどれも光と大気に満ち、見ていると潮風を感じるかのようです。彼は「海辺で」起きる出来事の記録者となりました。リゾート地で休暇を過ごすのは富裕な上流階級で定着しつつあった習慣で、画家とその家族はその流行に乗ったのです。サン・セバスチャン、サンタンデール、ビアリッツといった北部海岸のリゾート地は、海辺の休暇を過ごすには最適の場所とされており、涼しい気候のおかげで、ファッションに敏感な人たちは海辺でもエレガントな装いで過ごすことができました。
1910年の夏にサラウスの海岸で描かれたこの作品には、画面の外にある日よけの下でくつろぐソローリャ一家が描かれています。人々は優雅に着飾り、ビーチは気ままに楽しむ場というより、ブルジョワのためのコスモポリタン的な社交の場として描かれています。