菩提の日 by Unknown Artist - 18~19世紀 菩提の日 by Unknown Artist - 18~19世紀

菩提の日

写本 •
  • Unknown Artist Unknown Artist 18~19世紀

今日は仏教徒にとって特別な日。菩提の日(別名:臘八会(ろうはちえ))は、仏陀-ガウタマ・シッダールタ-が悟りを開いたとされる日を祝う仏教の伝統行事です。多くの仏教徒は瞑想をしてこの日を称えますが、私たちはこの写本を見てお祝いをしましょう。

この中国語の絵入り写本には、大乗仏教の伝統に基づく2つの著名な経典「般若心経」と「金剛般若経」の聖典が収められています。般若心経が銀色の文字で最初のページを飾り、それに続くのは、金色の文字で書かれた金剛般若経の広範な経文。各ページには、仏教の聖者、僧侶、庇護者などが登場する様々な宗教的場面が描かれた見事な挿絵が、全部で30点掲載されています。

今日紹介する挿絵に使われているのは、アジア原産のイチジクの一種、菩提樹(学名:ficus religiosa)の葉。仏教の伝統では菩提樹は神聖な木とされていますが、それは、仏陀がインドのブッダガヤの菩提樹の根元で悟りを開いたと信じられているからです。この木の葉は、ハート型をしていて先端が細長く、熱帯の嵐の際に雨水が流れやすくなっています。絵を描く前に葉を水に浸すことで、緑色細胞が崩壊して枠だけが残り、それを乾燥させて紙で補強します。青い背景は、葉の上の鮮やかな色彩と、文字に用いられている金・銀との視覚的コントラストを際立たせるために意図的に選択されたものです。

素晴らしいですね。

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P.S. 菩薩は、地上の他者が輪廻から解脱するのを手助けするために、自らの悟りを遅らせている慈悲深い仏。各国の文化によって異なる菩薩の描写をご覧ください。もっと詳しく知りたい方は、下記のコラムもご一読を!