1844年の今日、アメリカの画家、版画家で、成人後の人生の大半をフランスで過ごしたメアリー・カサットが生まれました!(カサットは、フランスでエドガー・ドガと友人になり、印象派展に参加しています)
1890年頃、日本の浮世絵に夢中になったカサットは、その版画技法を詳細に研究した成果を携えて、多色刷版画の制作に取り掛かりました。その内の1点「沐浴する女性」は、絵画を鮮やかに構成する色彩、レイアウト、図案、形状といった要素を、日常の情景に融合させた作品。歌川広重らの浮世絵師の作品に見られる様式からインスピレーションを得ています。洗面台に前かがみになっている女性。鏡には、女性の姿の一部が映っています。女性のバスローブの緑とピンクのストライプ、青いラグマットの黄色と茶色の葉模様、水差しに描かれた似た模様。カサットは様々な図案を織り交ぜています。これらは、壁の青緑色の色調と、優美な曲線を見せる女性の裸の背中と相まって、やや定石をはずした遠近法を用いて描かれたこの静謐な場面に命を吹き込んでいます。
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P.P.S. メアリー・カサットは大規模な作品も制作していたことをご存知ですか?カサットが描いた、失われたフェミニズム的壁画にまつわるストーリーはこちら。