インプロヴィゼーション３のための習作

今日紹介するこの習作は、ワシリー・カンディンスキーの独創的な連作『インプロヴィゼーション』における重要作で、これによって彼の初期の冒険は抽象的なものになりました。カンディンスキーの美術革命における重要な年だった1901年制作のこのシリーズは、物質的な世界よりも精神的な事実を描こうとした、カンディンスキーの具象から抽象美術への転換を映し出しています。　彼はそれらの作品で、外側の世界の目に見える現象を描写するのではなく、無意識で半ば自律的な色彩の形を通して、感情的な応答や内なる経験をとらえようとしました。

この期間にカンディンスキーが始めたのは、自身の主な絵画を「インプレッション（印象）」、「インプロヴィゼーション（即興）」、「コンポジション（作曲）」の３つに分類すること。彼の理論的な著作『抽象芸術論』にあるように、「インプレッション」の作品たちはいわゆる絵らしい形で描かれた、目に見える自然の姿である一方、「インプロヴィゼーション」は内なる感情を描いた無意識の表現です。「コンポジション」は対照的に、綿密に計画され、時間をかけて描き出されています。

「インプロヴィゼーション」は、内なる本質または視覚的経験の“音”を明かそうとした彼の探求の中心です。彼は1909年に、番号のついた「インプロヴィゼーション」を８点制作し、その他の絵の制作を第一次世界大戦まで続けました。これらは彼が著作で探った精神的アイデアの近くに位置する作品で、より抽象的で精神的な本質を表現する描写への移行を反映しています。

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