今月は、ペンシルベニア美術アカデミー美術館のコレクションの特集月間。お楽しみに!
絵の手ほどきを受けた父のジェームズ、叔父、姉妹、いとこと同様に、マーガレッタ・ピールは「ファミリー・ビジネス」としての芸術の世界に足を踏み入れました。画家としてのキャリアのスタートはおそらく1813年。1820年代には毎年、アカデミーに静物画を出品しました。ピールは自身を職業画家と称することには抵抗があったようですが、この魅力的な静物画を見れば、彼女の才能がわかります。 無彩色の背景を背に、熟したイチゴが盛られた磁器製のボウルが描かれ、その脇にはひと房のサクランボ。左からの光に照らされたシンプルでありながら効果的な構図には、イチゴとサクランボの温かみのある赤と黄色が、背景と棚の冷たいオリーブ色とグレイに並置されています。時折り父親の作品を模写したことからも、父からの影響は明らかですが、米国で初めて展覧会に静物画を出品した、いとこのラファエルからも影響を受けたマーガレッタは、もっと殺風景な静物の配置を好みました。当時、フィラデルフィアで数多くコレクションされるようになり、19世紀初頭になるとアカデミーで展示されるようになった17世紀オランダの静物画からの影響もあったようです。彼女は1820年代から1830年代にかけて、『フルーツ・ピース』というシンプルなタイトルの作品を多数発表しました。この主題には他のバージョンも存在し、その一つは1865年制作のものです。
今日の作品とタイトルは、ナンシー・シナトラとリー・ヘイズルウッドが歌う名曲『サマー・ワイン』を思い出させます。素敵な日曜日をお過ごしください!
P.S. マーガレッタ・ピールの家族では、彼女だけが唯一の女性画家だった訳ではありません。他にもたくさんいました!アメリカで最初の芸術王朝についてはこちら!