プロセルピナ by Hiram Powers - 1860年頃 - 64.77 x 50.8 x 30.48 cm プロセルピナ by Hiram Powers - 1860年頃 - 64.77 x 50.8 x 30.48 cm

プロセルピナ

大理石 • 64.77 x 50.8 x 30.48 cm
  • Hiram Powers - July 29, 1805 - June 27, 1873 Hiram Powers 1860年頃

今日からペンシルベニア美術アカデミーの素晴らしいコレクションの特集月間が始まります。お楽しみに!

1836年、アメリカの新古典主義の彫刻家ハイラム・パワーズは母国を離れてフィレンツェに渡ります。程なくしてその才能は彼の地で認められ、彼の工房はグランドツアー(訳注:裕福な家の子弟による国外旅行)に出かけるアメリカ人の人気スポットになりました。1839年頃になるとパワーズは、英雄や神話を主題とする理想的な彫刻作品の制作に取り掛かります。代表作『ギリシアの奴隷』(1842年)はイギリスとアメリカで展示され、高い評価を得た一方で、裸像ゆえの悪評もありました。

今日紹介する彫刻作品は、主題を扱う際のパワーズの柔軟性を示す好例。プロセルピナ(ギリシア神話の春の女神ペルセポネーに対応するローマ神話の女神)の石膏模型が完成したのは1843年。最初の大理石のレプリカでは、プロセルピナの乳房と肩が、丹念に作られた花籠から浮かび上がるような形でしたが、本作のような後期バージョンでは、イタリアの彫師がレプリカを制作する際に、籠と花の造形に高額の費用がかかったために、よりシンプルな仕上がりになっています。『プロセルピナ』はパワーズの作品の中でも特に評価が高い理想的な胸像。フルスケールのものや、縮小版の大理石レプリカを200点(!)近く制作しました。

P.S. プロセルピナのドラマチックな物語は、長きに渡って多くの芸術家にインスピレーションを与えてきました。春にまつわる神話が、3点の傑作でどのように表現されているかを見てみましょう!ギリシア神話に関するあなたの知識を美術史クイズで試してみませんか。