デイリーアート・ファンの皆さん、こんにちは!オランダ、オッテルローのクレラー・ミュラー美術館特集が続きます。これからしばらく、日曜日には同館のコレクションからゴッホの傑作を紹介していきます(同館は数多くのゴッホ作品を所蔵しています)。お楽しみに!
『レストランの内部』はゴッホの中でも最も点描的特徴を持つ作品の一つですが、点描技法を独特のやり方で使っています。テーブルと椅子は点ではなく、長い筆致で描かれ、影を表現するべく色のグラデーションを用いていますが、これは点描主義ではなく、写実主義の手法です。
白いクロスが敷かれたテーブルを飾るのは、まるで花の静物画のように鮮やかな花束。隅の高い位置には、これから席に着こうとしているパリっ子を示唆する黒いハット。壁の赤と緑、床の黄色と(灰色がかった)紫色、家具のイエロー・オレンジといった補色のコントラストが、テーブルクロスの青と相まって注意深く配置されています。
ゴッホはこの作品を、現代美術への一種のオマージュとして制作したのかもしれません。右手の壁のポスターは、ゴッホの浮世絵への関心を示唆し、中央に掛けられた絵はゴッホ自身の作品『アニエールのボワイエ・ダルジョンソン公園の小道』(これも点描)。新しい芸術の発展に貢献したいというゴッホの願望を示唆しているようです。
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P.P.S. オランダのクレラー・ミュラー美術館を訪れるべき5つの理由はこちら。まだ行ったことがない方は是非!