パナテナイア祭のアンフォラというのは、パナテナイアの祭典(オリンピアで行われたオリンピックの祭典に匹敵するもの)の賞として授与されるオリーブ油を入れるための大きな陶器の壺です。このようなアンフォラは、10英ガロン(12米ガロン・45L)の容量で、高さは60–70 cm (24–28インチ)であることが多く、アカデメイアにあるアテナの神聖な畑からとれた油で満たされていました。細い取っ手、すぼまった首と足があり、黒像式の標準的な形の、一貫性あるシンボルで装飾されており、そのスタイルが流行遅れになってからも同様でした。
パナテナイア祭のアンフォラの中には、 柱の間で槍を誇示し、アイギス(訳注:防具)を身につけた戦争の女神のアテナ・プロマコス像が、“アテネからの(何々)賞”といった文とともに描かれているものもあります。壺の裏側にはそれが贈られた種目が描かれています。時には柱の尖塔にとまる雄鶏が描かれていますが、その意味はいまだ謎です。後期のアンフォラにはその年のアルコン(執行官)の名が書かれたものもあり、考古学的にも重要なものとなっています。今日紹介しているのはエウフィレトスの画家が描いたアンフォラで、その画家は黒像式の技術を訓練していました。美しいと思いませんか?
スポーツ・ファンの皆様、いよいよオリンピックが開幕ですね!
P.S. 今年のオリンピックはこれまでにないほどに、アートとスポーツの架け橋となるでしょう! 2024年夏のパリ大会観戦中に見つかる、アートと関連あるアリーナをチェック!