自画像 by Rembrandt van Rijn - 1659年 - 84.5 x 66 cm 自画像 by Rembrandt van Rijn - 1659年 - 84.5 x 66 cm

自画像

油彩/カンヴァス • 84.5 x 66 cm
  • Rembrandt van Rijn - July 15, 1606 - October 4, 1669 Rembrandt van Rijn 1659年

オランダ黄金時代の巨匠、レンブラント・ファン・レインは、1606年の今日誕生しました。

その生涯にわたって、何十点もの自画像を描いたレンブラント。齢を重ねるにつれて変わりゆく容貌を捉えた自画像には、様々な感情を湛えた内省的な姿勢が見られます。光と影の劇的なコントラストで豊かな表情を際立たせた作品には、キアロスクーロの腕前が遺憾なく発揮されています。

今日紹介する見事な自画像は、青みがかった桃色の肌をした年老いた男の上半身像。眉間にしわを寄せ、くぼんた灰色の目でこちらを見つめています。背景は暗褐色。体は左に、顔は正面を向いています。ほんのりとピンク色を帯びた団子鼻、灰色の陰影のある、ややくぼんだ頬、うっすらと蓄えた灰色の口ひげとあごひげに縁取られた桃色の唇。金色の縁飾りのある茶色いベレー帽から覗くのは、ブロンズ・オレンジのラインで質感を加えた、柔らかくカールした鈍い灰色の髪。淡黄褐色のコートの黒っぽい襟を立て、首を隠しています。左上方から当たる光が、体と画面の右側に濃い影を落とし、カンヴァスの左半分は黄褐色と焦げ茶色の筆致の混成。暗い色のコートは背景と溶け合い、蔭になった左下の角に見えるのは組んだ両手。 画面には筆の動きが残り、それは顔の描写に顕著に表れています。絵には「Rembrandt f. 1659.」という署名と日付が記されています。

P.S. レンブラントについてもっと知りたい方は、「レンブラント絵画について知っておくべき10のこと」をご覧ください!以下のコラムも是非ご一読を。

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