佐伯春虹は1909年生まれの日本の芸術家。1927年に日本橋のデパート、白木屋(後の東急百貨店)でグラフィック・デザイナーとしてキャリアをスタートさせ、デザイナーのための審査展で数々の賞を獲得。1936年にはわずか27歳で帝展に出品し、1937年にはパリ万博にも参加しています。
春虹は、そのモダンで斬新なスタイルで高く評価されましたが、33歳の若さで病没しました。
今日紹介する作品は、画家のデパートでの経験と関係がありそうです。1920年代から30年代にかけて、職を求め、モダンな生活スタイルに憧れる数多くの若い男女が田舎から大都市に流入しました。縦2.6メートルを超えるこの大型の作品では、エキゾチックな植物が並ぶ飾り棚の横に、パーマをかけた二人のウェイトレスが無表情に立っています。
P.S. 日本の芸術の伝統は何世紀もの歴史を有し、今も広範囲に影響を及ぼしています。5人の日本人現代アーティストの紹介はこちら。