田宮坊太郎之話 by Tsukioka Yoshitoshi - 1885年 - 38.0 × 50.0 cm 田宮坊太郎之話 by Tsukioka Yoshitoshi - 1885年 - 38.0 × 50.0 cm

田宮坊太郎之話

錦絵 • 38.0 × 50.0 cm
  • Tsukioka Yoshitoshi - 30 April 1839 - 9 June 1892 Tsukioka Yoshitoshi 1885年

この木版画の主題は、日本でよく知られていた敵討ちの物語。1642年(寛永19年)、田宮源八郎が彼に嫉妬した剣術師範に斬殺されます。源八郎の息子、坊太郎(画面右)は父の敵を討つことを誓い、乳母のお辻(画面左)にも励まされながら、剣術の稽古に明け暮れます。17歳になった坊太郎は見事に敵討ちを果たし、坊太郎を育ててきたお辻は出家しました。

芳年は実際に西洋絵画を目にしていなかったかもしれませんが、この木版画の構図にはヨーロッパのアールヌーボーの影響が明らか。日本が外国との交流を断っていた当時、芳年の師匠、歌川国芳は西洋画の模写作品を秘蔵し、弟子たちに見せていました。徳川の治世末期に生まれ、成年後の大半を明治の時代に生きた浮世絵最後の巨匠、月岡芳年。西洋画の影響を受けた彼は、新しい西洋の様式と日本の伝統的な職人技の融合に力を尽くしました。その斬新な構図と線、人物の個性と描かれる瞬間を捉える類まれな才能は、浮世絵においては唯一無二、絵画史全体でも特異なものです。

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