マダム・ジュベールの名でも知られるルイーズ=アデオン・ドローリングはフランスの画家、製図工。父マルティン・ドローリングと兄ミシェル・マルティン・ドローリングは共に当時有名な画家でした。父から絵の手ほどきを受け(兄も父から絵を学びました)、非常に優れた腕前を発揮したルイーズ。美術史上ではしばしば起こることではありますが、残念なことに、彼女の作品の幾つかは父あるいは兄に帰属すると考えられてきました。
この絵に描かれているのは、窓ガラスの上でチューリップのデッサンをなぞっている若い女性。肘掛け椅子の上に乗っているペットのリスに気をそらされたのか、床には描き損じの習作が捨てられています。おそらくこれは、工房で制作中の画家の自画像でしょう。1824年のサロンで金賞を受賞した本作は、後にフランス貴族、ベリー公爵夫人によって、その誉れ高いコレクションに加えるために購入されました。
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