死せる母 by Edvard Munch - 1899年 - 100 x 90 cm 死せる母 by Edvard Munch - 1899年 - 100 x 90 cm

死せる母

油彩、カンヴァス • 100 x 90 cm
  • Edvard Munch - 12 December 1863 - 23 January 1944 Edvard Munch 1899年

エドヴァルド・ムンクは幼い年齢で死と直面した人でした。6歳のとき母親を亡くし、続いてその数年後に姉も亡くしたのです。1889年には父親が亡くなり、深い悲しみの底に落とされました。この背景を思うと、死、恐怖、悲嘆というテーマがムンクの作品に繰り返し現れるのは、不思議なことではありません。 幼少期のトラウマを思い出しながら、ムンクは後にこう書き残しています。「私の家は、病気と死の家でした。私は決して、その苦難を乗り越えていません。そしてそれは私の美術にも影響しているのです。」

『死せる母』は、ムンクが、死と深い悲しみをもっとも強く探求した作品の一つです。少女は手で耳を覆いながらこちらを見ており、後ろには死にゆく母親が横たわっています。ムンクのスタイルに忠実に言うならば、焦点は死にゆく者ではなく、生きているの者の感情にあります。この場合だと、少女の静かな怯えです。『叫び』の人物は、大声をあげて悲しみを表現していますが、それとは違い、この子どもは恐怖に固まり、痛みを声に出すことができずにいます。

P.S. ムンクの死の描写を見てみましょう。画家は絵において見事に、生と死、愛と恐怖、そして孤独感を組み合わせています。そして絵画の他に、画家は写真にも関心を持っていました! 写真で見るエドヴァルド・ムンクの生涯に興味はありませんか?

P.P.S. この有名なノルウェー人画家に関するさらに多くの話が、下の記事で読めます。