これはアートでしょうか?もちろんアートです!
前衛的なデザイン・スタジオ「ウィーン工房」(1903ー1932)の共同設立者だったコロマン・モーザーは、当時のウィーンの代表的なデザイナーでした。1903年以前はモダン・ムーブメントにおいて主導的役割を果たし、その頃既に支配的な地位を築いていたクンストラーハウス(オーストリア芸術家連盟)と袂を分かった若手芸術家グループ、ウィーン分離派の創設にも関わったモーザー。ウィーン工房設立の3年前に彼がデザインした『けし飾り』は、後に工房で開発されることになる洗練されたテキスタイル・パターンの先駆け的作品です。細長い線と単純化され、抽象化された有機的な形態は、ウィーンとグラスゴーの芸術家たちに共通する新しい美意識を反映しています。モーザーのデザインは、かつてのウィーン工房の協力者であり、今日に至るまで存続するウィーンの会社、ヨハン・バックハウゼン・ウント・ゾーネによって、様々なカラー・バリエーションで制作されました。このテキスタイルは、工房のアーティストたちが統一感のある芸術空間としてデザインした部屋の魅力を引き立たせるための椅子張りやカーテン用に作られたものです。
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P.P.S. モーザーが共同設立者として関わった工房は、ウィーンで最も成功したデザイン・ブランドの一つに数えられることをご存知ですか?ウィーン工房の素晴らしいデザインを見てみましょう!以下のコラムでは、時代をを超えたデザインの魅力を紹介しています。