鳥の集い by Habiballah of Sava - 1600年頃 - 25.4 x 11.4 cm 鳥の集い by Habiballah of Sava - 1600年頃 - 25.4 x 11.4 cm

鳥の集い

インク、不透明水彩、金、彩、紙 • 25.4 x 11.4 cm
  • Habiballah of Sava - 16th century - 17th century Habiballah of Sava 1600年頃

この写本の挿絵に描かれているのは、謎めいた詩『マンティック・アル=タイール』(鳥の言葉)のとある場面。それは12世紀のイランの詩人ファリードゥッディーン・アッタールが書いた、ティムール朝(1370~1507年)で最も重要な絵入り写本の一つです。この寓意的な物語では、鳥たちは“シムルグ”(究極の魂の調和を表す神秘的な鳥)を探し求める一人ひとりの魂の象徴で、うららかな場所に集まり巡礼へ旅立とうとしています。鳥たちを導くヤツガシラが中央右の岩に止まり、その姿は目を引きます。

調和のとれた構図は15世紀後期のティムール朝の細密画に典型的なものですが、いくつかの要素から、それより後の時代に描かれたと推測されます。例えば、もとの物語には登場しない狩人の存在や、彼の持つ鉄砲です。その武器がイランで広まったのは少なくとも16世紀中期以降です。さらにハビーバッラーという名が記されていますが、それは16世紀後期から17世紀初期の有名な画家の名です。

ぜひ時間をかけて細部までじっくり眺めてください。美しいと思いませんか? 

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P.P.S. カマル・アッディーン・ビフザードの美術を通してペルシャの細密画の美しい世界を探索してみましょう。