石かコンクリートでできた壁に腰掛けて、両脚をぶらぶらさせている母と子。壁は左から右に連なる、窓のような5つの四角い穴で区切られています。暗く沈黙した空が示唆するのは夜か曇天。10個の白い風船が空に浮かび、右上の5個は長く細い紐につながれています。そよ風に優しく運ばれていくような風船。女性は胸の辺りで紐を握り、もう片方の腕でしっかりと子供の腰を抱いています。頭を上に傾げて不思議そうに風船を見やる母子。母は感心したように口を僅かに開き、子供は身を乗り出して、期待に満ちた目で空に浮かぶ風船を見つめています。
親子は1920年代風の服装でショートヘア。母親は星の模様のワンピースに、子供は花柄の服。二人は上品なスリッポン・シューズを履いて壁に腰掛け、空に広がる光景に目を奪われています。
幼少期は、リノカット版画で知られるオーストラリアの画家、エセル・スポワーズが好んで採り上げたテーマ。おとぎ話や童謡から多くのインスピレーションを得た彼女が制作した版画には、休息中あるいは遊んでいる子供たちが描かれ、そこには物語性が感じられます。
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P.S. 古代の先住民の伝統から現代の革新まで、知っておくべき5人のオーストラリア人アーティストについてはこちらをご覧ください。