散歩道

ピエール＝オーギュスト・ルノワールは、1841年の今日生まれました。好むと好まざるとに関わらず、彼が印象派の代表的画家の一人である事実は揺らぎません。美、とりわけ女性の官能美を称賛し、ルーベンスやヴァトーの絵画の伝統を継承しました。 

画家がこの作品につけた元々のタイトルは不明ですが、『散歩道』は、彼が深く敬愛した画家たちへのオマージュとしての役割を果たしています。ルノワールが屋外制作をしながら前年の夏を共に過ごしたクロード・モネは、明るく輝くような色遣いと、羽のように軽くて美しい筆致を追求するように促しました。ルノワールはこの作品で、ギュスターヴ・クールベのような土っぽい緑と茶色の色調を保ちながら、アントワーヌ・ヴァトーやジャン・オノレ・フラゴナールなどの18世紀の画家が描いた、気ままで官能的な庭園の情景から主題を拝借しています。画家は、ルーブル美術館でこれらの作品を研究したのです。

それまでの画家たちが意図的に演出された誘惑の場面を描いたのに対して、ルノワールが捉えたのは束の間の自然な一瞬。そこにあるのは、工房の背景幕を背にポーズをとるのではなく、おそらくは地元の公園で自然を楽しむ中流階級のパリっ子の姿です。1870年代から80年代のかけてのルノワールの印象主義作品の特徴である、木漏れ日が射し込む様子は、画面に活気と親密さを与え、油絵具を薄く混ぜ、重ねるように塗ることで、微妙な奥行きと幽玄とも言える質感が生み出されています。

P.S. ルノワールの誕生日を記念して、代表作の一つ『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会』の高精細複製画を25％オフで提供します！

P.P.S. 画家の生涯を知ることは鑑賞の手助けになり、その作品に隠された意味を見つけるのに役立ちます。作品同様、明るさに満ちたルノワールの生涯を見てみましょう。