今日は印象派たちのパリへ。
『鏡の前で』は、ベルト・モリゾが得意とする、親密で私的な時間を見事に切り取って描いた作品の好例。1890年に制作されたこの絵は、日常にひそむ静かな優雅さを、女性の目線を通して捉えたモリゾらしい作品です。鏡の前に立ち、物思いにふける女性。柔らかで大まかな筆遣いと光と影の繊細な描写が、静かに内省する様子を強調しています。
印象派の代表的な画家だったモリゾは、女性のプライベートな家庭生活を、感受性豊かに、優雅に描くことで知られていました。自己認識とアイデンティティにまつわるテーマを控えめに探究した今日の作品もその一例です。光の使い方、とりわけ光がモデルと鏡に反射する様子は、親密な雰囲気を創り出し、観る者を私的で思索的な空間に誘います。
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