ハワード・パイルは、アメリカのイラストレーター、画家、著述家。主に若者向けの本で知られ、『ロビンフッドのゆかいな冒険』は彼の代表作です。パイルの死後1911年には、彼が書いた海賊の物語とイラストを集めた『カリブ海の海賊』が出版されました。今日紹介するのは、海賊物語の一つの挿絵として使われたパイルの作品です。
パイルの物語の舞台は、「新世界」で略奪した富をスペイン王家に運ぶ船が海賊の標的となることが多かった17世紀の中南米。植民地港周辺の海域を航行する船が直面した危険を生き生きと描きました。この絵では、大きなガレオン船が、小型ながらも強力な海賊船に翻弄されています。立ち込める煙が銃火に照らされた様が表すのは、ガレオン船の乗組員を圧倒する海賊の襲撃。船の堂々としたエンブレムは、暴力から距離を置き、非情な対決を見下ろしています。
今日の作品は「海、船、海岸のポストカード50枚セット」に採用されています。オンライン・ストアでチェックしてみてください。
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